SNSの運用を個人に頼むのと、会社に頼むのとでは、何が違うのか。いちばん大きな違いは、相手が一人で受けていることです。相手が休めば、その間の作業は止まります。代わりの担当がいないぶん、頼む前に決めておくことが少し増えます。
決めておくのは、次の3つです。
- 相手が止まっても、店が困らないようにしておくこと
- アカウントを、店が持っておくこと
- 頼む条件を、簡単でも書面かメールに残すこと
あさぎも、個人で受けています。この記事では、個人に頼むよさと弱いところの両方を、あさぎの場合も交えて書きます。
- 個人と会社で、頼めることの違い
- 止まったときの備えを、先に決める
- アカウントは、店が持つ
- 条件は、簡単でも書面に残す
- 頼む前に、相手に聞いておくこと
- 個人の料金は、同じ物差しに直して比べる

1. 個人と会社で、頼めることの違い
個人と会社の違いを、頼む側から見ると次のようになります。
| 個人に頼む | 会社に頼む |
|---|---|
| 担当は、話した本人。そのまま手を動かす | 担当は、会社の中で決まる。途中で担当が変わるかどうかは、会社による |
| 撮影は、本人が店に行ける回数に限りがある | 撮影まで受けるプランがある。月1回の現地撮影が入るプランもある |
| 本人が休むと、その間は止まる | 担当が休んだときに誰が代わるかは、会社ごとに違う |
| 料金は、時間で決める人、1回の投稿ごとに決める人など、決め方から違う | 料金は、月の定額のプランが多い。初期費用や最低6か月の契約がつく会社もある |
個人に頼むよさは、話した相手がそのまま作業をすることです。店の事情を伝えた相手と、投稿を作る相手が同じなので、伝え直す手間がかかりにくくなります。
会社の方が向いているのは、人手のかかる作業を決まった頻度で頼みたいときです。たとえば毎週、店に来て撮ってほしい場合は、撮影の担当がいる会社に頼む方が合っています。あさぎも、毎週の現地撮影は会社に頼む方がよいと考えています。
2. 止まったときの備えを、先に決める
個人に頼むとき、いちばん気になるのは、相手が体調を崩したときや、連絡が取れなくなったときではないでしょうか。会社と違い、代わりの担当はいません。止まる日がいつか来ると考えて、次の3つを決めておきます。
投稿の予定と素材を、店も見られる場所に置く
次に何を出すか、どの写真を使うかが相手の手元にしかないと、相手が止まったときに店は何も出せません。予定の表と素材を、店も開ける共有のフォルダに置いてもらいます。これだけで、止まっている間に何を出す予定だったかが店でも分かります。
先の分を、作り置きしてもらう
数回分の投稿を先に作って予約しておけば、相手が数日休んでも、投稿は予定どおりに出ます。何回分を先に作っておくかを、頼むときに決めておきます。
返事の目安を決める
連絡してから返事が来るまでの目安を、頼む前に決めておきます。目安を過ぎても返事がなければ、何かあったと早く気づけます。
あさぎの場合
あさぎは、投稿の予定と素材を支援先と共有し、先の分を作り置きしています。連絡には、平日なら翌日までに返事をします。
3. アカウントは、店が持つ
相手が自分のメールアドレスや電話番号でアカウントを作ると、ログインの情報は相手の手元にあります。そうなると、やめるときや連絡が取れなくなったときに、店がアカウントに入れなくなるおそれがあります。
アカウントは、店のメールアドレスで作り、店が持ちます。相手には、パスワードを渡さずに招待で入ってもらいます。招待で入ってもらっていれば、やめるときは招待を取り消すだけで済みます。手順は、パスワードを渡さずに任せる方法に書いています。
4. 条件は、簡単でも書面に残す
個人に頼むときは、条件を口約束で済ませてしまいがちです。2024年11月1日に施行されたフリーランス・事業者間取引適正化等法では、従業員を使わずに一人で働く個人などに仕事を頼んだ事業者は、すぐに、仕事の内容や報酬の額、支払期日などを、書面かメールなどで示すことになっています。この決まりは、頼む側に従業員がいるかどうかを問いません。
従業員(週20時間以上・31日以上働く見込みの人)を雇っている店などでは、あわせて、仕事を受け取った日から60日以内のできるだけ早い日を支払期日に決め、その日までに払う決まりもあります(運用のように続けて頼む仕事では、受け取った日の数え方に決まりがあります)。
契約書の形でなくてもかまいません。見積書とメールのやりとりで条件が残っていれば、あとで確かめられます。法律で示すことになっている主なものに加えて、店のために次のことも書いておくと、あとで迷いません。
- 月に何時間、または何本の作業か
- 店に残る作業(素材を撮る、出す前の確認、コメントやDMへの返信)を誰がするか
- やめるときは、何日前までに伝えるか
- アカウントの権限を、やめるときにどう戻すか
- つくった写真や動画を、やめたあとも店で使えるか
店に残る作業は、頼んでもゼロにはなりません。どんな作業が残るかは、SNS運用代行の相場の2章に書いています。
あさぎは、支援先によって、業務委託の契約書を交わす場合と、見積書とメールのやりとりで条件を決める場合があります。
なお、この章は法律の細かい扱いまでは書いていません。自社の場合にどうなるかは、公正取引委員会の資料で確かめるか、弁護士などに相談してください。
5. 頼む前に、相手に聞いておくこと
個人に頼む前に、次のことを聞いておきます。個人に仕事を頼めるサイトで探す場合も、聞くことは同じです。
- これまでに、どんな店のSNSを担当したか。実際の投稿を見せてもらえるか
- 撮影は自分でするか。店に来られるのは月に何回か
- 休むときや、体調を崩したときはどうするか
- 連絡の返事は、どれくらいで来るか
- 月の料金で、何に何時間(または何本)使うか
- やめるときは、何日前に伝えればよいか。権限と素材はどう戻るか
はっきり答えてもらえると、頼んだあとの動き方も思い描きやすくなります。
6. 個人の料金は、同じ物差しに直して比べる
個人の料金は、時間で決める人、1回の投稿ごとに決める人など、決め方から違います。そのため、この記事では個人の料金の幅は書いていません。見積もりをもらったら、月に何を、何回、何時間するのかに直すと、会社のプランと並べて比べられます。
あさぎは、月10時間・5万円から(税別)で受けています。本数では区切らず、投稿の企画と下書き、撮影と編集、仕組みづくり、振り返りと相談に時間を振り分けます。会社の公開プランは、月5万〜25万円ほどでした。金額の帯ごとに何が返ってくるかは、SNS運用代行の相場にまとめています。
頼み方は3つあります
SNSの運用は、あさぎに頼む以外に、自分たちで進める方法や、専門の会社に頼む方法でも形にできます。比べると次のとおりです。
| あさぎに頼む | 自力で進める(AIも使って) | 専門の会社に頼む | |
|---|---|---|---|
| 向いている会社 | 担当を置けないが、いずれ社内で回したい | 担当の時間を、週に数時間は取れる | 撮影を毎週頼みたい。投稿の数をまとめて任せたい |
| よいところ | 話した本人が手を動かす。月10時間を企画、撮影と編集、仕組みづくり、振り返りに振り分ける | 費用がいちばん小さい。やり方が社内に残る | 人数と体制があり、撮影から分析まで一度に頼める |
| 気をつけること | 一人で受けているので、引き受けられる件数に限りがある。毎週の現地撮影は会社の方が向いている | 担当が忙しくなると止まりやすい。AIが作るのは下書きまでで、確かめるのは人 | 費用が大きくなりやすい。初期費用や最低契約期間がつくことがある |
| 費用の目安 | 月10時間・5万円から(税別) | 道具代は月0円から数千円(Meta Business Suiteは無料、Claude Proは月20ドル・税別、Canva Proは年11,800円)。いちばん大きいのは担当する人の時間 | 月5万〜25万円ほど。初期費用が10万円前後かかる会社や、最低6か月の契約の会社もある |
専門の会社の費用は、料金を公開している会社の料金ページ(2026年9月23日に確認)から、同じ種類のサービスで公開されているプランを並べた幅です(相談だけの安いプランがある会社もあります)。税の扱いは会社によって違います。含まれる作業(時間や本数)も、会社ごとに違います。道具代は各サービスの公式の料金ページによります。
よくある質問
個人に頼むと、会社より安いですか
一概には言えません。あさぎは月10時間・5万円から(税別)で、会社の公開プランにも月5万円ほどのものがあります。金額よりも、同じ金額で何が返ってくるかで比べてください。
個人に頼むとき、契約書は要りますか
法律では、書面かメールなどで条件を示せばよく、契約書の形に決まっているわけではありません。大事なのは、仕事の内容と報酬、支払期日などを、あとで確かめられる形で残しておくことです。
頼んだ相手と連絡が取れなくなったら、どうなりますか
アカウントを店が持ち、相手に招待で入ってもらっていれば、店が招待を取り消せます。投稿の予定と素材を共有してもらっていれば、店で続きを出せます。この2つを、頼む前に整えておいてください。
あさぎが休んだら、投稿は止まりますか
作り置きしてある分は、予定どおりに出ます。投稿の予定と素材は支援先と共有しているので、休んでいる間に何が出る予定だったかは、店でも見られます。
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いまの様子を、4つの質問で見立てます
自社の場合はどこから手を付けるとよいか、トップページの簡易診断で見立てられます。4つの質問に答えると、いま近い困りごとと進め方が出てきます。答えはページの中だけで使い、どこにも保存しません。
出典
- フリーランス・事業者間取引適正化等法は、公正取引委員会「フリーランス・事業者間取引適正化等法 ここからはじめる」パンフレット(2026年9月23日確認)
- 専門の会社の料金・プランの内容は、各社の公式の料金ページ(2026年9月23日確認)
- 道具代は、各サービスの公式の料金ページ(2026年9月23日確認)