記事

SNS運用代行に使える補助金(2026年)|持続化補助金の条件と使える時期

SNSの運用を外に頼みたいけれど、費用が気になる。その一部を補助金でまかなえないか、と考えることもあると思います。

先に答えを書くと、小規模事業者持続化補助金(以下、持続化補助金)には、SNSの運用代行費を対象にできる枠があります。公募要領の「広報費」の対象になる経費の例に、次の一文があります。

SNS広告、運用代行費

ただし、SNSの外注だけを申請することはできません。広報費として受け取れる額にも上限があります。さらに、申請してから実際に頼めるようになるまでには、数か月かかります。

この記事では、2026年9月時点で最新の第20回の公募要領をもとに、使える条件と使える時期を書きます。

  1. 使える枠は「広報費」
  2. 条件は3つある
  3. いつから頼めるか
  4. 頼む前にやっておくこと
  5. IT導入補助金は、名前が変わった
この記事の要点の流れ。困りごと、SNSの外注に、補助金を使えないか。進め方、1 使える枠は、持続化補助金の「広報費」。2 条件は、3つある。3 頼めるのは、交付決定のあと。4 頼む前に、商工会・商工会議所に相談。手に入るもの、使える枠と時期が分かり、頼む前に準備できる。
この記事の要点の流れです。タップすると大きく開きます。

1. 使える枠は「広報費」

持続化補助金は、小さな会社やお店が、販路を広げるために使う経費の一部を補助する制度です。補助率は3分の2、補助の上限は50万円です(賃金の引上げなどの特例に当たると、上限が上乗せされます)。

対象になるのは、常時使用する従業員の数が、商業・サービス業なら5人以下、宿泊業・娯楽業と製造業その他なら20人以下の会社やお店です。

補助の対象になる経費は、機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費など8つに分かれています。SNSの外注が入るのは、このうちの広報費です。公募要領は広報費を次のように書いています。

パンフレット・ポスター・チラシ・インターネット広告・SNS 広告等を作成および広報媒体等を活用するために支払われる経費

対象になる経費の例には、はじめに引いた「SNS広告、運用代行費」のほかに、「商品・サービスの宣伝のための画像や動画作成」も並んでいます。リール動画の制作を外に頼む費用も、この枠で考えられます。

ひとつ気をつけたいのは、動画や写真を何に使うかです。自社のホームページやECサイトで使う動画や写真の制作費は、広報費ではなく、ウェブサイト関連費に入れるよう書かれています。

2. 条件は3つある

広報費だけでは申請できない

公募要領には「広報費のみによる申請はできません。必ず、ほかの経費と一緒に申請してください。」とあります。

SNSの運用代行だけを頼みたい場合でも、展示会への出展、新しい商品の開発、機械や設備の導入など、広報費とは別の経費と組み合わせた計画にする必要があります。チラシや看板、インターネット広告は、SNSと同じ広報費に入ります。

広報費として受け取れる補助金は30万円まで

同じく「当経費の補助金交付申請額の上限は 30 万円(税込)です。」とあります。補助全体の上限は50万円ですが、そのうち広報費の分は30万円までです。

補助率は3分の2なので、たとえば広報費の対象になる経費が45万円なら、補助金は30万円になり、ちょうど上限に当たります。それより多くかけても、広報費の分の補助金は増えません。消費税を対象に含められるかどうかは、税の申告の仕方で変わります。

会社の宣伝だけのものは対象外

広報費は、補助事業の計画に沿って、商品やサービスを広めるためのものが対象です。公募要領には「単なる会社のPRや営業活動に活用される広報費は、補助対象外です。」と書かれています。

SNSの運用を頼むなら、どの商品やサービスを、誰に向けて広めるのかを、計画の中で先に決めておくことになります。

3. いつから頼めるか

いちばん気をつけたいのは時期です。持続化補助金では、交付決定の前に発注や契約をした経費は対象になりません。公募要領には、対象外の経費として「交付決定前に発注・契約、購入、支払い(前払い含む)等を実施したもの」と書かれています。

第20回の日程は次のとおりです。

時期できごと
2026年11月5日申請の受付が始まる
2026年12月4日地域の商工会・商工会議所に事業支援計画書(様式4)を出してもらう、その受付の締切
2026年12月15日 17時申請の締切
2027年3月ごろ採択の発表(予定)
採択の発表から1〜2か月ほど交付決定。ここから発注できる

今年の12月に申請しても、SNSの運用代行を頼めるのは、早くて来年の春以降です。来月から頼みたい、という場合には間に合いません。

また、補助金が入るのは、補助事業が終わって、実績の報告を出したあとです。頼んだ費用は、いったん全額を自社で払うことになります。

4. 頼む前にやっておくこと

地域の商工会・商工会議所に相談する

申請には、地域の商工会・商工会議所が出す事業支援計画書(様式4)が要ります。第20回は、その発行の受付が12月4日で締め切られます。申請の締切より11日早いので、早めに相談しておくと安心です。

申請は電子申請だけで受け付けていて、GビズIDプライムのアカウントが要ります。

見積もりを、補助事業の期間に合わせてもらう

補助の対象になるのは、補助事業の期間の中で使った分です。広報費の対象にならない経費の例には「補助事業期間外の広告の掲載や配布物の配布」も入っています。

月ごとの運用代行を頼むなら、どの月からどの月までを補助事業にするのかを決めて、その期間の分がわかる見積もりをもらっておくと、計画に書きやすくなります。

1件の発注が50万円(税込)を超える場合は、2者以上から見積もりを取って、安い方に頼むことになっています。月ごとの運用代行を1年頼むと、この額を超えることがあります。見積書は、採択の発表のあと、交付決定までに出します。

相談や助言の費用は、対象にならない

公募要領の、補助の対象として認められない経費の中に「コンサルティング、アドバイス費用」があります(インボイス制度への対応の相談は除きます)。

外に頼む中身が、投稿づくりや運用の作業なのか、相談や助言なのかで、扱いが変わります。見積もりの段階で、作業の分と相談の分を分けて書いてもらうと、計画に載せる額がはっきりします。

SNSと組み合わせる取り組みを決める

先に書いたとおり、広報費だけでは申請できません。SNSで何を広め、その先でどこで買ってもらうのか。展示会への出展や新しい商品の開発など、広報費とは別の経費で、SNSと一緒に進める取り組みを決めておくと、計画の筋が通ります。ECサイトの改修はウェブサイト関連費に入り、こちらもそれだけでは申請できません。

5. IT導入補助金は、名前が変わった

デジタル化の補助金として知られていたIT導入補助金は、2026年度から「デジタル化・AI導入補助金」に名前が変わりました。公式サイトでも「デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)」と書かれています。

SNSの外注に使えるかという点では、こちらは持続化補助金と仕組みが違います。公募要領には次のようにあります。

補助対象経費は、IT導入支援事業者が提供し、あらかじめ事務局に登録されたITツールの導入費用とする。

対象になるのは、登録されたソフトウェアと、それに付く導入の相談、設定やマニュアルづくり、保守サポートまでです。人がSNSの投稿をつくって運用する費用に当たる区分は、この中にはありません。SNSの運用代行を頼む費用は、持続化補助金の広報費で考えるのが筋です。

問い合わせへの返信や予約、販売の管理をソフトで楽にしたい場合は、こちらの対象になることがあります。使えるのは事務局に登録されたツールだけなので、入れたいツールが登録されているかを、公式サイトのITツール検索で先に確かめます。

ほかに押さえておきたい点は次のとおりです。

  • 補助率は2分の1(条件に当たると3分の2)、補助額は5万円から150万円未満(業務の工程を1つ以上含むツールの場合)
  • 交付決定の前に買ったITツールは対象外
  • 2022年から2025年のIT導入補助金で交付決定を受けたことがある会社は、1人あたりの給与の総額を年平均3.5%以上引き上げる計画を立てて、従業員に伝えておくことが条件になる
  • 締切は年に何回かに分かれていて、決まった回の日程だけが公式サイトに出る

頼み方は3つあります

補助金を使う場合も使わない場合も、SNSの運用は、あさぎに頼む以外に、自分たちで進める方法や、専門の会社に頼む方法でも形にできます。比べると次のとおりです。

あさぎに頼む自力で進める(AIも使って)専門の会社に頼む
向いている会社担当を置けないが、いずれ社内で回したい担当の時間を、週に数時間は取れる投稿の数や撮影を、まとめて任せたい
よいところ店の方の操作を増やさない形から組み、社内で回せるところまで一緒に動く。補助事業の期間に合わせて、運用の作業と相談を分けた見積書を出せる(相談の分は補助の対象外)費用がいちばん小さい。やり方が社内に残る人数と体制があり、撮影から分析まで一度に頼める
気をつけること引き受けられる件数に限りがある。申請書づくりの代行はしていない担当が忙しくなると止まりやすい。AIが作るのは下書きまでで、確かめるのは人費用が大きくなりやすい。初期費用や最低契約期間がつくことがある
費用の目安月10時間・5万円から(税別)道具代は月0円から数千円(Meta Business Suiteは無料、Claude Proは月20ドル・税別、Canva Proは年11,800円)。いちばん大きいのは担当する人の時間月5万〜25万円ほど。初期費用が10万円前後かかる会社や、最低6か月の契約の会社もある

自力で進める場合も、SNS広告を出す費用などは広報費に入ります。

専門の会社の費用は、料金を公開している会社の料金ページ(2026年9月23日に確認)から、同じ種類のサービスで公開されているプランを並べた幅です(相談だけの安いプランがある会社もあります)。税の扱いは会社によって違います。含まれる作業(時間や本数)も、会社ごとに違います。道具代は各サービスの公式の料金ページによります。

よくある質問

すでに頼んでいる運用代行の費用にも使えますか

交付決定の前に発注や契約をしたものは対象外です。いま続いている契約の扱いは、公募要領だけでは読み切れないので、申請の前に地域の商工会・商工会議所で確かめてください。

申請すれば必ずもらえますか

もらえるとは限りません。持続化補助金は審査があり、採択されたものだけが対象です。

申請書は書いてもらえますか

あさぎでは、申請書づくりの代行はしていません。計画の相談は、地域の商工会・商工会議所で受けられます。あさぎからは、補助事業の期間に合わせた見積書を出せます。公募要領ではコンサルティングやアドバイスの費用は対象外なので、見積書では、運用の作業の分と相談の分を分けてお出しします。

細かい条件はどこで確かめればいいですか

この記事は第20回の公募要領(第8版)をもとにしています。税の扱いや特例の条件など、この記事で触れていないことも多くあります。申請の前に、公募要領の原文と、地域の商工会・商工会議所で確かめてください。

自社が条件に当てはまりそうかは、5つの質問でチェックできます。

ほかの記事

いまの様子を、4つの質問で見立てます

自社の場合はどこから手を付けるとよいか、トップページの簡易診断で見立てられます。4つの質問に答えると、いま近い困りごとと進め方が出てきます。答えはページの中だけで使い、どこにも保存しません。

出典

記事の一覧へ