予約で席が埋まっていくお店ほど、SNSの目標は決めにくくなります。フォロワーが増えても、席の数は増えません。予約が増えたとしても、それが投稿のおかげなのか、季節のおかげなのかは見分けがつきません。
それでも、SNSを外に頼もうとすると、最初に数字の目標を聞かれることが多いと思います。フォロワーを何人にするか。予約を何件増やすか。
この記事では、あさぎが支援している、観光で人が訪れる街の予約制のレストランで、目標をどう置いたかを書きます。お店の名前や場所、料理は伏せています。書くのは、あさぎが考えたことと、やったことだけです。支援はまだ途中で、結果は出ていません。そのことも含めて書きます。
- 目標に、フォロワー数と予約数を置かなかった
- 先に、やらないことを決めた
- 動画の速さは、店の時間に合わせた
- つまずいたところ
- 頼む前に確かめておくとよいこと

1. 目標に、フォロワー数と予約数を置かなかった
フォロワー数と予約数は、目標に置きませんでした。
支援を始める前に、お店が公開している最近の投稿を数えてみました。1つの投稿につく「いいね」は、フォロワーの3%ほどでした。
見てくれている人は、もういます。足りないのは、その人たちに思い出してもらう回数のほうだと考えました。フォロワーを増やすことに力を使うより、いまのフォロワーに季節ごとの料理を何度も見てもらうほうが、次の予約に近いはずです。
予約の件数も、目標にしませんでした。予約制のお店では、予約の数が動いたときの理由が1つに決まりません。季節の食材や連休の並び、口コミや紹介が重なって動きます。支援の期間の中で、そのうち投稿が効いた分だけを切り出すことはできません。数えられないものを目標に置くと、結果が出たあとで、次に何を変えればいいのかが分からなくなります。
そこで、支援の終わりに言い切れる状態を目標にしました。
- 投稿が、お店の手で決めた間隔のまま続いている
- あさぎが抜けても、止まらない仕組みになっている
- どの型の投稿に反応があったか、次に何を増やすかを、数字で言える
数字は月に1回、お店の方にスマホの画面を撮って送っていただく形にしました。どの画面を、どの順に撮ればいいかは、1枚の手順書にまとめてお渡ししています。見るのは、投稿がどれだけ見られたかと、見た人のうちフォロワーとフォロワー以外がどれくらいずつかです。いまのフォロワーに何度も届いているかと、新しい人に届いているかを、分けて見られます。
2. 先に、やらないことを決めた
目標と一緒に、支援のあいだにやらないことも、最初に決めてお伝えしました。
- 広告は出さない(まず、広告なしで続く型をつくる)
- 予約の仕組みは変えない
- 口コミサイトや地図アプリの運用は、最低限の確認にとどめる
- 献立や、お店の運営には口を出さない
SNSを頼むと、話はすぐに広がります。広告も出したほうがいいのではないか。予約の入り口も直したほうがいいのではないか。どれも間違いではありません。ただ、一度に全部に手を付けると、何が効いたのかがまた分からなくなります。
最後の1つは、こちらの線引きです。料理とお店のことを決めるのは、お店の方です。あさぎが手伝うのは、それをどう伝えるかまでにしています。
3. 動画の速さは、店の時間に合わせた
動画は、1つの場面を4秒ほど見せてから次へ移る組み方にしました。
最初に作った見本は、1秒から2秒半ほどで場面が変わるものでした。
並べて見ると、このお店には合いませんでした。ゆっくり食事を楽しむお店で、場面がせわしなく変わる動画は、お店の空気と食い違います。そこで、この速さに落ち着きました。
ほかにも、見本を並べて決めたことがあります。
- 最初の場面は、料理の寄りから入る。ただし、何が映っているか分からない寄りは逆効果になる
- 明るさは、撮ったままより持ち上げる
- 文字は画面の下に、話しかけるような字幕で入れる
決め方は、同じ素材で1か所だけを変えた見本を何本か作り、見比べて選ぶ形です。頭の中で考えるより、並べて見るほうが答えが早く出ました。決めた組み方で作った見本は、お店の方にもお見せしています。
4. つまずいたところ
撮る時間が、そもそも無かった
最初の計画では、撮り方の型をお渡しすれば、お店の方が撮れるものと考えていました。
お話をうかがって分かったのは、料理はできたらすぐにお客様へ出すので、撮っている時間がないということでした。調理台の上も、撮影には向いていません。これまで料理の写真が少なかったのは、撮り方を知らなかったからではありませんでした。
そこで、営業の流れの中で撮ってもらう前提をやめて、撮影のための時間と場所を営業とは別に考えることにしました。訪問した日には、あさぎが料理を撮っています。
機材をすすめる準備を、していた
撮影に使う機材の提案を、こちらで用意していました。ところが、お店の方はすでにカメラを持っておられました。
提案はやめて、そのカメラの設定と撮り方の資料に切り替えました。先に聞いていれば、提案をつくる時間も要りませんでした。いまは、何かを買い足す話をする前に、手元に何があるかを先にうかがうようにしています。
数字について
3%ほどという数字は、支援を始める前の値です。支援の結果として出た数字は、まだありません。支援の終わりに、どの型の投稿に反応があったかを並べて、次に何を増やすかを決めることにしています。成果の見方はSNS運用代行の相場の4章にも書いています。
5. 頼む前に確かめておくとよいこと
SNSを外に頼むとき、相手に聞いておくとよいことを3つ挙げます。
目標を、何に置くつもりですか
フォロワー数や予約数を目標にする場合は、その数字が動いたときに、投稿のおかげかどうかをどう見分けるのかを聞いてみてください。答えが具体的な相手のほうが、途中で方向を直せます。
やらないことは、何ですか
何をやるかと同じくらい、何をやらないかが決まっていると、あとで話が広がりすぎません。費用が膨らむのも防げます。
いま手元にある道具を、先に伝えましたか
スマホやカメラ、使っているアプリを先に伝えておくと、買わなくていいものを買わずに済みます。すぐに買い足しをすすめてくる相手かどうかも、ここで分かります。
頼み方は3つあります
ここまでの進め方は、あさぎに頼む以外に、自分たちで進める方法や、専門の会社に頼む方法でも形にできます。比べると次のとおりです。
| あさぎに頼む | 自力で進める(AIも使って) | 専門の会社に頼む | |
|---|---|---|---|
| 向いている会社 | 担当を置けないが、いずれ社内で回したい | 担当の時間を、週に数時間は取れる | 投稿の数や撮影を、まとめて任せたい |
| よいところ | 目標とやらないことを最初に一緒に決め、社内で回せるところまで一緒に動く | 費用がいちばん小さい。やり方が社内に残る | 人数と体制があり、撮影から分析まで一度に頼める |
| 気をつけること | 引き受けられる件数に限りがある。撮影に毎回うかがえるとは限らない | 担当が忙しくなると止まりやすい。AIが作るのは下書きまでで、確かめるのは人 | 費用が大きくなりやすい。初期費用や最低契約期間がつくことがある |
| 費用の目安 | 月10時間・5万円から(税別) | 道具代は月0円から数千円(Meta Business Suiteは無料、Claude Proは月20ドル・税別、Canva Proは年11,800円)。いちばん大きいのは担当する人の時間 | 月5万〜25万円ほど。初期費用が10万円前後かかる会社や、最低6か月の契約の会社もある |
専門の会社の費用は、料金を公開している会社の料金ページ(2026年9月23日に確認)から、同じ種類のサービスで公開されているプランを並べた幅です(相談だけの安いプランがある会社もあります)。税の扱いは会社によって違います。含まれる作業(時間や本数)も、会社ごとに違います。道具代は各サービスの公式の料金ページによります。
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